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☆古代

海藻を利用する「藻塩焼」とよばれる方法でしたが、やがて砂を利用して濃い塩水を採取して煮つめる方法に移行しました。

【藻塩焼】

藻塩焼きは『万葉集』等に「藻塩焼く」などと表現されているところからこう呼ばれています。しかし、その実態は明らかではなく、「藻を焼き、その灰を海水で固め灰塩を作る」「灰塩に海水を注ぎ、かん水を採る」「藻を積み重ね、上から海水を注ぎ、かん水を得て、これを煮つめる」等の諸説があります。
その中でも、藻を海水の濃縮工程(海水のついた藻を天日に干し、その上から海水を注いで表面に析出した塩を海水で溶かす)に利用したものとする説が有力です。

☆鎌倉時代末期

濃縮池に溝、畦畔等がつくられるようになり、「塩浜」の形態が整ってきました。
塩浜は原料海水の補給方式によって「入浜」と「揚浜」とに分けられます。

☆江戸時代末期

気候・地形等の立地条件に恵まれた瀬戸内海沿岸を中心に開発された「入浜式塩田」が普及・発達しました。
入浜式塩田と平釜によって構成されたこの方法は、近代に至るまで変わりませんでした。

【揚浜式塩田

揚浜式塩田は、かん水をとるための装置です。
塩田は、海面より高い所の地面を平坦にならし粘土で固めてできていて、人力で海水を汲み上げて塩田地盤の砂にかけ、太陽熱と風で水分を蒸発させ砂に塩分を付着させます。
砂が乾いたら沼井(ぬい=かん水抽出装置)に集めて海水で洗い濃い塩水をつくります。    

  1. 海水を汲み上げ砂が敷いてある塩田に撒く
  2. 砂が乾いたら集めて沼井に入れる
  3. 沼井に海水を注いで砂についた塩分を溶かす
  4. 沼井の下からかん水がでてくる(→後で煮つめて結晶化させる)
  5. 沼井に入れた砂を塩田に戻す

【入浜式塩田】

入浜式塩田は、かん水を採るための装置です。
揚浜式塩田との違いは、人力で海水を汲み上げることはせず、塩の干満の差を利用して海水を引き入れ毛細管現象によって砂を湿らせるところです。
遠浅の海岸に大きな堤防を造り、満潮・干潮時の水位の高さの中くらいに塩田面を築きました。
浜溝に海水を導き、毛細管現象によって砂層上部に海水を供給し、太陽熱と風で水分を蒸発させ、砂に塩分を付着させます。
この砂を沼井に集め海水をかけて、かん水を採りました。
この方法は潮の干満差を利用した画期的な方法で、17世紀半ばに瀬戸内海沿岸で開発されてから、昭和30年代まで続きました。

  1. 砂を塩田に撒いて広げる
  2. 毛細管現象の促進のために上から海水を撒く
  3. 水分の蒸発を助けるために表面の砂をかきおこす
  4. 砂が乾いたら集めて沼井に入れる
  5. 沼井(ぬい=かん水抽出装置)に海水をかけて砂についた塩分を溶かす
  6. 沼井からかん水がでてくる
    (→後で煮つめて結晶化させる)

☆昭和のはじめ

平釜にかわって蒸気利用式塩釜・真空式蒸発缶が導入され、まず、煮詰め工程に改革がおこりました。

☆昭和28年ごろ

濃縮工程に「流下式塩田」が導入され、永年続いた「入浜式塩田」にとって変わりました。

【流下式塩田】

かん水を採るための装置で、昭和27年〜昭和34年にかけて入浜式塩田から転換された方式が流化式塩田です。
地盤に傾斜を付け、その上に粘土またはビニールを敷き、さらに小砂利を敷いた流下盤と、柱に竹の小枝を階段状につるした枝条架からなり、ポンプで海水を汲み揚げ、第一流下盤・第二流下盤・枝条架の順に流して、太陽熱と風で水分を蒸発させます。
これを何度も繰り返すことで、海水が濃縮されます。
枝条架は海水を竹の枝に沿って薄膜状に落下させ、風によって水を蒸発させますので、年間を通しての採かんが可能になり、また、入浜式塩田のように砂を運ぶこともなく、海水を自然に移動、流下させるだけなので、労働力は大幅に軽減されました。


☆昭和47年4月以降

従来の水分を蒸発・除去する方法から、海水中の塩分を集める「イオン交換膜製塩法」が導入され、全面的にこの方式に切り換ええられました。

【イオン交換膜製塩法】

これまでの塩田法と同じく、かん水を採るための装置ですが、塩田法が海水の水分を蒸発・除去する方法であるのに対し、イオン交換膜法は電気の力を利用して海水中の塩分を集める方法です。

  1. 装置には両端に電極をおき、陽イオンだけを通す陽イオン交換膜とイオンだけを通す陰イオン交換膜を交互に並べています。
  2. 海水を流し、両端の電極から電流を流すと、プラスの電気を帯びたナトリウムイオン、マグネシウムイン、カルシウムイオン、カリウムイオンなどは陰協に、マイナスの電気を帯びた塩化物イオン、硫酸イオンなどは陽極に向かって移動します。
  3. 移動しようとすると、陽イオンは陰イオン膜によって、陰イオンは陽イオン膜によって遮断されますので、膜と膜との間にはかん水(塩分濃度15〜20%)と希釈海水(塩分濃度約2%)が交互にできます。
  4. かん水は煮つめるために蒸発缶に送られ、希釈海水は海に戻されます。
    この方法は、昭和20年代に研究が開始され、30年代に入って試験導入され始めました。
    塩田法に比べ天候に支配されることがなく、土地生産性、労働生産性が格段に優れた方法です。

☆平成9年4月

1905年に施工されて以来92年間続いた塩専売法が廃止され、新たに塩事業法が施行されました。
塩製造者が増え、様々な方法で塩づくりが行われています。

日本の塩づくりの特徴
日本は岩塩などの塩資源に恵まれていませんので、海水から塩をつくってきました。
海水をそのまま煮つめるのではなく、いったん濃い塩水に濃縮してから、その濃い塩水を煮つめて塩の結晶を取り出す、という効率のよい方法で塩づくりが行われてきました。
この海水を濃縮して、それを煮つめるという2つのプロセスからなる日本独自の製塩方法は、技術的には大きな進歩を遂げていますが、原理は大昔から変わりありません。 

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